特集中村家具独自仕入れによるユニークな商品のご紹介

クラシック家具は深くて面白い

 

ヨーロッパの家具の歴史です

家具はその時代によって、デザイン・役割が、どんどん変わっています

その中でいいものが、結果として、クラシックと呼ばれるものになるのだと、私は思います

 

制作予定及び目次

1.  Classicを辞書で引きました

2. ただ 今、ヨーロッパ家具の年譜を作成中

3.  内容未定、ゆっくり作りながら考えます。

4.  結び

 

1.  Classicを辞書で引きました。

 

原義:最高級の、一流の

形容詞

➊(文学、芸術など)最高級の、第一級の、見事な

➋典型的な、模範的な、

➌古典の、古典的な

➍(文学上、歴史上)由緒ある、伝統的な、有名な

➎(衣服、スタイルなどが、流行に左右されずに)伝統的な、

名詞

➊一流の作品、権威のある作品、名作、古典作品

➋(古代ギリシア、ローマの)古典

➌洗練されたもの、見事なもの(服、技術など)

➍(米プロ野球)オールスターゲーム

the World Baseball Classic世界野球選手権試合

 

2. ヨーロッパ家具の年譜

 

紀元前3000年~

メソポタミア、エジプト

60年前、私の子供の頃は、世界は4大文明から始まった、と教わりました。

でも今、驚くことに、文明はメソポタミアがそもそもの始まりだ、と変わってしまいました。

この時代には、家具は王の権威のシンボルとしての役割、王の功績を顕す豪華な彫刻,金箔張り、ライオン脚、などが施されていました。

紀元前1100年~

ギリシア、ローマ

今でも私の知るイタリア人はローマの子孫だと、プライドを持っています。

良い事です。

6世紀~

ビザンチン、イスラム、ロマネスク

このあたりはイスラム圏の方が勢力があったようで面白そうですが、今回の主旨とはちょっと違いますので、またの機会にしたいと思います。

12世紀~

ゴシック

ゴシック時代の椅子は、立方体で、硬くて垂直な背もたれが付いているのが特徴です。

主に宗教的な儀式に用いられました。

代表的建築 

ノートルダム大聖堂、ウェストミンスター大聖堂、シャルトル大聖堂、セビリア大聖堂

夜のケルン大聖堂 荘厳さが恐いほど際立っている

なんでこんな驚くべきものを造ったんだろう

1248年に建築が始まり、600年後の1880年に完成

今でも常にどこかの部分の修復作業を続けています

雨のミラノ大聖堂(ドーモ)

1386年に建て始め、500年後の、1813年に完成

込められた人間の熱意、心、知恵、お金、労力

カラフルな大理石で造られた、フィレンツェのサンタマリア・デル・フィオーレ大聖堂

ゴシックからロマネスク

ゴシック大聖堂も南にゆく程明るくなって行きます

現在進行形の、スペインのサグダラ・ファミリア教会もゴシック建築ですね。

15世紀~16世紀

ルネッサンス

人間文化の溌溂とした発展を開始した時代

家具も中世の権威の象徴から人間のものへの移行

家具の形は、中世の厳格さに対して、華麗な装飾が用いられ、全体的に精巧な彫刻が施された。

装飾がすき間なく施され、創意や工夫が度を越して過剰な印象を与えるものが少なくない。

17世紀~18世紀初期

バロック

フランスバロック

フランスではルイ13世から始まりルイ14世様式として完成

ベルサイユ宮殿はこの時代の建築、インテリアの集大成

ルネッサンス芸術の端正でシンメトリカルな様式に対して、感覚に直接訴える芸術

実用性より装飾性や、豪華さを強調

語源はポルトガル語でゆがんだ真珠

イギリスバロック

  1. 前期ジャコビアン様式
  2. ヨークシャー様式
  3. 後期ジャコビアン様式
  4. ウィリアム & メリー様式

イタリアバロック

この時代のイタリアを代表する芸術家が”バロックのミケランジェロ”と呼ばれた、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ

バチカンのサンピエトロ広場を1624年からスタートし1667年に完成

ドイツバロック

ルイ14世様式をモデルにして、オランダ・イギリスの影響を受けてしだいに単純化

スペインバロック

スペインはヨーロッパ諸国から離れていたため、いろいろな文化が入り乱れ、独特の複合様式を創り出している。

ヨーロッパの華麗な要素とアラビア式の濃厚で多彩な形を取り入れたものが多い

1715年~1770年頃

ロココ

 

 

 

過去があるから今があります。

過去の解釈は今生きている我々がします。

そして、過去と今が混じりあって未来が生まれてきます。

歴史は1直線ではないですよね

今日はこれで終わります。

 

テーマとしては、すごく面白いので、頑張って少しでもいい物ができればと思います。

でも毎回、長くなり過ぎますので、今回は短くするように努力したいと思っています。

シルクロードの歴史とガズニウール絨毯

 

シルクロードの手織り絨毯

中央アジアの遊牧文化を創始し、紀元前8世紀から紀元前3世紀まで栄えたスキタイ民族が残した重要な文化遺産の一つです。

草原や砂漠の遊牧生活の中から生まれた絨毯は、やがてシルクロードの各地に伝えられ、その地の文化や風俗と深く結びついて、様々な絨毯作られる様になりました。

シルクロードはアジア、ヨーロッパ、北アフリカを結ぶ、一本の線ではなく、それは西東北南を網の目の様に帯状に結んだ文化、交易の流通網です。

こうして、西はトルコから、ペルシャ、東は中国に至る広大なユーラシア大陸の各地に伝わり,それぞれ特徴のある絨毯が現存するところとなっています。

ガズニウールとは

「ガズニ」はアフガニスタン南東部の州の名前です

10世紀頃には「ガズナ朝」としてペルシャをも従えた強大な国でした。

ガズニ州は標高2200mの自然環境の厳しい高地にあり、そこに生息する羊の毛、及びアフガニスタンのその他の山岳で生産される羊毛を総称して「ガズニウール」としています。

特徴は寒冷地で生きる為、長毛(約30cm)で、油脂分が多い事。

その為に染色は困難ですが、手つむぎは容易であり、油脂分が水や汚れをはじくため、絨毯には最適とされています。

左から ローカルウール・ニュージーランドウール・手つむぎガズニウール

この、もの凄く癖のあるガズニウールは、すべての工程において、素材を知り尽くした、熟練した職人の手仕事でしか作れません。

機械ではとても出来ません。

製糸、染色、作る方は大変ですが、油脂分が多いため、水や汚れをはじきます。

ガズニウールは絨毯としての、味いも違うし、耐久性、使い心地も違います。

また、羊が寒冷地で生きる為に、1本1本の毛が長くなり、その為に遊び毛が出にくいのです。

当然の事ながら、大量生産は出来ません。

 

真ん中のニュージーランドウールで作ったものは、味のない、均質でこぎれいな絨毯になります。

でも、洋服の素材には最適だと思います。

逆にガズニウールで作ったスーツ・・ちょっと想像がつきません。

全く染めていない自然の色の糸です。

ガズニの羊、一頭一頭、毛の色が違います。

ガズニウールの絨毯、一枚一枚、似ているようで、微妙に違う。

 

染色

釜入れ

まず、毛糸は熱湯に浸して油脂分を除き染色しやすくします。

その後、染料を入れます。

中間チェックです。

チェックするのは、シルクロードの絨毯の研究、開発、指導、仕入れ33年の畠山さんです。

染め上がりです。

 

畠山さん、全ての工程・場所で厳しくチェックです。(20年前の写真です。)

手結び絨毯(Hand Knot Carpet)

手織りではありません。

一つ一つ手で結んでいるのです。

全ての工程に、膨大な時間と手間が掛かっています

何千年もの民族の知恵の歴史・遺産、それを基に、今、作り上げている人びとの時間と労力。

そこに、効率を追求する大量生産商品と対極にある、我々の心に深く響く絨毯が生まれるのです。

結び方には伝統的に2つの方法があります。

ペルシャ結びとトルコ結び。

どちらが良いという事は無く、作る地域により分かれています。

どちらにしても、とんでもない手間が掛かっています。

ガズニウールはペルシャ結びです。

①デザインの模様に従って、基布の地緯糸2本にパイル糸(毛房)を、1本ずつ指先で結びつけ、ノット(結び目)をつけてゆく。

②パイル糸を3~8mmの長さに、ナイフや握り鋏で切り立毛する。

③ノットの1列が終わったら、バース(金櫛)で打ち込みパイルを押し下げる。

④2本の横糸を挿入し、定木をあて、裁ちばさみで一定の長さに切りそろえる。

⑤この作業を延々と繰り返し、1枚の絨毯が織り上げられる。

 

特別な日本基準・・畠山さんのこだわり

日本において絨毯は、赤ちゃんがハイハイやお昼寝をする場所です。

また日常的に直接座ったり、横になったりして使用する人が多く、土足で使うヨーロッパ向け、アメリカ向けとは安全に対する基準が違うべきだと畠山さんは考えています。

現地で柄、デザインが良いから、値段が安いからという理由で輸入している業者も日本に沢山います。

その為に、畠山さんは、老体にムチ打ち、現地に行って、製造段階から、畠山基準で厳しくチェック、地道な指導をしています。

 

染料のレシピです。

染料の検査報告書

1検体ごと3枚の検査報告書

1缶ごとに全て検査します

計量

染料チェック

染料検査報告書確認

家庭用品規正法

平成28年、日本ではヒトの体内で発がん性物質に変異する恐れの強い、24種類の物質が含まれる家庭用品の生産、輸入、販売が禁止されました。

絨毯は糸を染める染料にそうした物質が含まれるとして適用を受けたのです。

畠山さんは現地のメーカーと協力して、染料の調達と管理、生産工程を改めこれを完全にクリヤーしました。

 

更に厳しい 畠山さんの染料検査基準

現地では、糸を染める染料は、主として化学先進国であるドイツの製品を使用しています。

工場に納入される染料(25㎏入ドラム)は当然基準をクリヤーしているメーカー品です。

畠山さんは、更にメーカー証明のみに頼るにではなく、確実性を判断するため、国際的な検査機関で改めて検査し、合格品のみを使っています。

これに伴うコストは小さくないのですが、安全、安心、健康的な絨毯、一番大事なポイントです。

ちなみに、国際機関の検査で不合格になるものが 10%出るそうです。

 

畠山さんは 染色工程もこだわる

糸を実際に染める現場では、日本向けのものは単独工程で進めています。

他国向け染色ラインの器具や材料との接触、混入を防止する為です。

家庭用品規正法は、人の口や素肌に直接触れる恐れのない品物には適用になっていません。

まして、絨毯を靴で踏んで使用する文化圏ではこんな厳しい規制は不要です。

 

とりあえず今日はここまでです。

足したり、減らしたり、もうちょっと続きます。

 

ガズニウールの商品は

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