和家具とは?和室に合う家具の種類と選び方

和家具とは?和室に合う家具の種類と選び方

和家具とは何か、その定義や代表的な種類(座卓、箪笥など)を専門的視点から解説。
現代の部屋や店内に和風インテリアを取り入れたい方に向けて、和室に合う家具の選び方やコーディネートのコツ、導入する魅力を詳しくご紹介します。

そもそも「和家具」ってどんなもの?知っておきたい基本のこと

和家具とは?

「和家具」とは、日本の住まいや暮らしの中で育まれてきた伝統的な家具全般を指す言葉です。
西洋家具とは異なる、日本独自の生活様式や建築文化に合わせて発展してきた点が大きな特徴です。
和家具の最大のルーツは、日本の建築様式や気候風土、そして「床に座る」という生活習慣にあります。

和家具を形作る2つの大きな特徴

① 畳の上に座る生活(床座ゆかざ)に合わせた「低めのデザイン」

和家具は、畳の上に直接座る、あるいは寝そべるといった「床座生活」を前提に設計されています。
そのため、西洋家具に比べて全体の高さが低く、視線を下方に集める構造(ロースタイル)が特徴です。
これにより、和室特有の落ち着いた空間にもなじみやすく、空間を広く見せる効果があります。

② 自然の木目を活かした、シンプルで真っ直ぐな形

和家具の多くは、日本の豊かな自然から採れる欅(ケヤキ)、桐(キリ)、栗(クリ)、杉(スギ)などの無垢材を使用しています。
また、日本の建築(柱や梁、障子など)と調和するよう、デザインは非常に直線的でシンプルです。
表面には漆塗りやオイル仕上げが施され、経年変化(エイジング)によって使い込むほどに深い味わいと光沢が増すという特徴を持っています。

代表的な和家具の種類とその魅力

和家具には、用途や設置される場所に応じて多様な種類が存在します。
ここでは、現代のインテリアにも取り入れやすい代表的なカテゴリーを紹介します。

1. 座卓(ざたく)・文机(ふづくえ)

座卓 ローテーブル

床に座って使用するローテーブルの総称です。
食事や歓談の場に使われる「座卓」や、読書や執筆のための個人用デスクである「文机」があります。
天板の一枚板の木目の美しさや、脚部の繊細な彫刻などが施されているものが多く、リビングの中央や店舗の個室に配置するだけで、空間の主役としての存在感を放ちます。

2. 箪笥(たんす)の種類と職人技

箪笥(たんす)

衣類や道具を収納するための箪笥は、和家具の技術の粋が集まった分野です。

① 桐箪笥(きりだんす)

調湿性や気密性に優れた桐材を使って、職人がひとつひとつ丁寧に作った贅沢な箪笥です。
精巧に作られた桐箪笥では、気密性の高さから、引き出しを閉めると別の引き出しが空気圧で押し出されるほどの精密な職人技で作られています。

② 階段箪笥(かいだんだんす)

町家などで2階への階段の下部スペースを有効活用するために作られた、階段状の収納家具です。
そのユニークでオブジェのような形状から、現代のモダンな空間や店舗のディスプレイラックとしても非常に人気があります。

③ 水屋箪笥(みずやだんす)

現代の食器棚や収納棚に近い役割を持つ家具です。
格子状の扉や引き戸が特徴的で、食器を美しく収納しながらも、程よく目隠しができる機能性とデザイン性を兼ね備えています。

3. 屏風(びょうぶ)・衝立(ついたて)・行灯(あんどん)

 屏風(びょうぶ)

空間を緩やかに仕切るパーテーションとしての役割を持つ「屏風」や「衝立」、そして和紙を通して柔らかな光を届ける照明器具「行灯」も、和家具を構成する重要な調度品です。
これらは、部屋の模様替えを大がかりに行わなくても、置くだけで一気に和の風情を演出できる利便性があります。

今の暮らしに「和家具」を取り入れたくなる理由

和室

現代において、あえて和家具を空間に取り入れたいと考える背景には、単なるノスタルジーではない、深い精神的・審美的な欲求(インサイト)が存在します。

1. 忙しい毎日の中で、ホッと一息つける場所がほしい

パソコンやスマホをずっと見ているような忙しい毎日だからこそ、お家の中では目も心も休ませたいですよね。
和家具は全体的に高さが低めに作られているので、床に近いところでゆったり過ごすと、不思議と気持ちがすーっと落ち着きます。

2. 「余白」と「すっきり感」

過剰な装飾を排し、空間の「余白」を大切にする和の精神は、現代の洗練されたミニマリズムと強く共鳴します。
特に店舗設計においては、モノを詰め込むのではなく、あえて余白を残すことで、高級感や特別なおもてなしの雰囲気を醸し出すことが可能です。

3. 「職人の技」や「長く使う価値」

使い捨ての消費文化に対するアンチテーゼとして、職人の手仕事や天然素材の経年変化といった「背景にある物語」に価値を見出す人が増えています。
和家具を取り入れることは、「自らのこだわり」や「本物を見極める審美眼」を表現する手段でもあるのです。

お家のインテリアに上手になじませる「家具選び」の4つのコツ

棚やキャビネットも腰より低いものを選ぶことで、天井が高く見えて、お部屋がぐっと広く感じられます。

1. 視線を低く保つ「ロースタイル」の徹底

視線を低く保つ「ロースタイル」の徹底

空間全体の家具の高さを低めに統一することが鉄則です。
ソファを置く場合は脚のないフロアソファやローソファを選び、棚やキャビネットも腰高以下のものを選ぶことで、天井を高く見せ、圧倒的な開放感とリラックス感を演出できます。

2. プラスチックなどの人工的な素材は、少し控えめに

木や竹、和紙といった自然の素材をベースに選ぶのがおすすめです。
光沢感の強い素材は、組み合わせによっては和の雰囲気から浮いて見えることがあります。

3. アースカラーと「日本の伝統色」によるカラー使い

アースカラーと「日本の伝統色」によるカラー使い

色彩設計は、畳や木材を連想させるベージュ、ブラウン、グレー、くすんだグリーン(アースカラー)をベースにします。
アクセントカラーを取り入れる場合も、原色ではなく「藍色(あいいろ)」「えんじ色」「墨色(すみいろ)」といった、日本の伝統色(和色)から選ぶことで、空間に深みと統一感が生まれます。

4. 直線的なラインと「余白」を意識したレイアウト

直線的なラインと「余白」を意識したレイアウト

和家具が持つ直線的な美しさを活かすため、配置も整然とした直線的なラインを意識します。
また、壁面を家具で埋め尽くすのではなく、あえて何も置かない壁や床のスペース(余白)を多く残すことで、家具一つひとつの存在感と美しさが際立ち、上質な空間へと仕上がります。

まとめ:和家具の導入で日常に豊かな静寂を

和家具は、単に「古いもの」ではなく、今の私たちの暮らしに「ホッとする安心感」をくれる素敵な家具です。

「いきなり大きな箪笥を置くのは難しいな」という方は、小さめのローテーブルや、和紙を使った間接照明など、置きやすいものから試してみてはいかがでしょうか。


ご来店をお待ちしております。

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中村家具編集部

この記事を書いた人: 中村家具編集部

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