賃貸の和室を仕事部屋に!畳に机や椅子を置く際のリスクと退去時の対策

賃貸の和室を仕事部屋に!畳に机や椅子を置く際のリスクと退去時の対策

近年、在宅勤務や自宅学習の普及により、和室(畳の部屋)を仕事部屋や勉強部屋として活用したいと考える方が増えています。

しかし賃貸住宅では、「畳の上に机や椅子を置いても大丈夫なのか」「退去時に原状回復費用を請求されないか」と不安に感じる方も少なくありません。
本記事では、国土交通省のガイドラインをもとに、畳への影響や退去時のリスク、具体的な対策について解説します。

賃貸の畳部屋に机や椅子を置いていいのか?結論とルール

一般的な賃貸物件では、畳の上に机や椅子を置くこと自体に問題はありません。ただし、契約書や管理規約に特別な定めがある場合は、その内容に従う必要があります。

「通常損耗」と「善管注意義務違反」の境界線

賃貸物件の退去時における修繕費用は、その原因がどちらにあるかによって負担者が決まります。

通常損耗・経年劣化(貸主=大家側の負担)

一般的な生活を送る中で自然に発生する摩耗や劣化のことです。

善管注意義務違反・故意・過失(借主=入居者側の負担)

入居者の不注意や、不適切な管理・使用方法によって生じた傷や汚れのことです。

畳の上に家具を置く行為は、ガイドライン上どのように位置づけられているのでしょうか。
具体的な事例をもとに確認していきましょう。

退去時の追加請求を左右する「家具の設置基準」

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、畳やフローリングに家具を置くことについて以下のように指針を示しています。

1. 机や棚の「設置による凹み」は原則として貸主負担

畳の凹み・傷

ガイドラインにおいて、「家具の設置による床や畳の凹み・設置跡」は、生活する上で不可欠なもの(通常損耗)と判断されるのが一般的です。
通常の家具設置によって生じた軽微な凹みや設置跡については、一般的に通常損耗として扱われるため、追加請求の対象になりにくいと考えられます。

2. 椅子の「引きずり傷・擦れ」は借主負担になる可能性が高い

一方で、最も注意しなければならないのが「椅子(チェア)」の扱いです。
特にキャスター付きのオフィスチェアや、学習机用の椅子を頻繁に動かす場合、畳の表面がい草の繊維に沿ってささくれたり、擦り切れて破れたりすることがあります。
これは「通常の範囲を超える使用」あるいは「対策を怠ったことによる過失」と見なされ、 善管注意義務違反と判断された場合は、損傷の程度や契約内容に応じて、畳の補修費用や表替え費用などの負担を求められる可能性があります。

退去時の追加請求を避けるための5つの防衛策

和室を仕事部屋・勉強部屋として快適に使いつつ、退去時の追加請求をゼロにするためには、事前の対策が不可欠です。
畳の特性(調湿性、クッション性、傷つきやすさ)を考慮した、効果的な工夫をご紹介します。

1. キャスター付き椅子には「ハード素材のチェアマット」がおすすめ

畳の上にラグ・マット

畳の上でキャスター付きの椅子を使用する場合、ダイレクトに動かすのは厳禁です。
できればチェアマットを敷いていただくのがおすすめです。
この際、柔らかい素材のマットでは椅子の重みで沈み込んでしまい、畳を傷める原因になります。
ポリカーボネート製や木目調のハード素材(硬めの素材)のマットを選ぶことで、荷重を分散させ、キャスターの摩擦から畳をしっかりと守ることができます。

2. 机の脚には「重量分散用の敷物」を挟む

机の脚に傷防止の敷き物を挟む

机の脚が細いタイプ(4本脚など)は、1点に集中して強い荷重がかかるため、深い凹みの原因になります。
机を設置する際は、脚の下に「家具用木製コースター(受け皿)」や「ジョイントマットの切れ端」を挟み、接地面積を広げて荷重を分散させましょう。

また、ネット通販やホームセンターでは、市販の「床凹み防止グッズ(専用の家具パッドやコースターカップなど)」も多数販売されています。
シリコンやゴム素材で滑り止め効果を兼ね備えた専用アイテムを活用すれば、インテリアの景観を損ねることなく、手軽かつ確実に対策が可能です。

3. 床との接地面積の広い「スクエア型の脚(面で支えられる形の脚)」を選ぶ

机の脚(スクエア型)

これから新しく机を購入する場合は、脚の形状にも注目してください。
和室用として設計された座卓や、すっきりとしたデザインの家具の一部に見られる「ソリ脚(脚の底部が平らな板状になっており、線や面で床に接する形状)」のデスクは、 接地面積が広いため荷重を分散しやすく、畳への負担を軽減しやすい特徴があります。

4. カビ・ダニを防ぐため「置き畳」や「ウッドカーペット」の敷きっぱなしに注意

「畳を保護するために、部屋全体にウッドカーペットや防音マットを敷き詰めたい」と考える方も多いでしょう。
しかし、これは別のリスクを生み出します。
畳は湿気を吸い取る性質があるため、密閉性の高いカーペットを敷きっぱなしにすると、内部に湿気がこもり、カビやダニが大量発生する原因になります。
管理不足によるカビやシミが発生した場合は、原状回復費用の負担を求められる可能性があります。
どうしても敷き詰める場合は、以下の対策を徹底してください。

  • 畳とカーペットの間に「防ダニ・防カビシート」を挟む
  • 定期的に部屋の換気を行い、除湿機を活用する
  • 数ヶ月に一度、家具を動かして通気を確認する

まとめ:適切な対策で、賃貸の和室を快適なワークスペースに

賃貸物件の畳部屋に机や椅子を置くことは、ルールを守り、適切な対策を講じていれば決して恐れることではありません。

家具の種類 リスク度 主な原因 推奨される対策
机(デスク) 低〜中 集中荷重による凹み 脚の下に受け皿・コースターを敷き、荷重を分散させる
椅子(チェア) 移動による擦れ、ささくれ ポリカーボネート製などの硬質チェアマットを必ず敷く

退去時のトラブルを避ける最大のポイントは、「畳にい草の繊維を引きちぎるような摩擦を与えないこと」と「湿気をため込まないこと」の2点です。
和室は畳特有のクッション性や吸音性を備えており、作業空間として活用している方も少なくありません。集中して作業を行う部屋としては非常に適した空間です。
ぜひ万全の保護対策を行った上で、あなただけの快適な仕事部屋・勉強部屋を作り上げてください。

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中村家具編集部

この記事を書いた人: 中村家具編集部

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